建設分野の特定技能2号について、2027年4月1日から日本語能力B1相当以上の要件が導入されます。

これまで建設分野の特定技能2号では、熟練した技能や、複数の建設技能者を指導しながら作業し工程を管理する班長としての実務経験などが重要な要件となってきました。

今後は、これらに加えて日本語能力も2号移行を考えるうえで重要な要素になります。

一方で、

「2027年4月1日から、すぐに全員がB1試験に合格していなければならないのか」
「3月31日までに申請すればB1は不要なのか」
「すでに特定技能2号を取得している人はどうなるのか」

といった点については、現時点ですべての具体的な取扱いが公表されているわけではありません。

厚生労働省の有識者懇談会では、特定技能2号のB1相当の日本語試験について、制度施行と同時に一律に求めるのではなく、施行後一定期間が経過してから合格を求める方向が検討されています。

その後、2026年9月30日に出入国在留管理庁から新たな案内が公表され、在留資格認定証明書交付申請(COE)については、2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要であることが明確になりました。

一方で、在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請については、確認開始時期が現在も検討中とされています。

そのため、特定技能1号から2号への変更を予定している建設会社については、現時点でも申請時期だけで判断せず、今後の追加公表を確認していく必要があります。

この記事では、建設会社の経営者・外国人雇用担当者の方に向けて、

「確定していること」
「経過措置として検討されていること」
「まだ決まっていないこと」

を分けながら、特定技能2号を目指す外国人社員の日本語教育をいつから、どのように準備していけばよいのかを分かりやすく整理します。

2027年4月1日から何が変わる?

建設分野の特定技能2号では、これまで熟練した技能に加えて、複数の建設技能者を指導しながら作業し、工程を管理する班長としての実務経験が重要な要件とされてきました。

2027年4月1日からは、これらに加えて、「日本語教育の参照枠」B1相当以上の日本語能力が制度上求められることになります。出入国在留管理庁も、特定技能2号について令和9年4月1日以降、B1相当以上の日本語能力を求める方針を案内しています。

建設会社向けに整理すると、特定技能2号への移行では、

  • 技能水準
  • 班長としての実務経験
  • 日本語能力B1相当以上

を、それぞれ意識して準備していく必要があります。

特に建設分野では、2号外国人は単に作業ができればよいという立場ではありません。
後輩や他の技能者へ作業内容を説明したり、安全上の注意を伝えたり、工程を理解しながら現場を動かしたりする場面が増えていきます。

そのため、今回の日本語要件は、単なる試験対策として考えるよりも、**「人を指導する立場として必要な日本語力」**と捉えることが大切です。

一方で、B1相当の日本語試験については、施行日の2027年4月1日から直ちに全員へ一律に合格を求めるのではなく、施行後一定期間が経過してから合格を求める方向が、厚生労働省の有識者懇談会資料で検討されています。

つまり、**「B1要件が導入されること」と、「いつから実際に試験合格が必要になるのか」**は分けて考える必要があります。

B1相当とは?

B1とは、**「日本語教育の参照枠」**における日本語能力の水準の一つです。

政府資料では、特定技能2号への移行に必要な日本語能力について、**「B1相当以上の試験(日本語能力試験N3等)」**という表現が示されています。

ここで注意したいのは、
「JLPT N3に合格すれば、自動的にB1相当になるわけではない」
という点です。

日本語能力試験(JLPT)では、2025年12月試験から、試験結果にCEFRレベルが参考表示されるようになりました。

N3合格者については、

  • 総合得点95~103点 → A2
  • 総合得点104点以上 → B1

と表示されます。

つまり、N3の合格点は95点ですが、95~103点で合格した場合は、CEFRの参考表示ではB1ではなくA2です。
B1の参考表示を得るには、N3に合格したうえで総合得点104点以上が必要になります。 JLPT

建設会社としては、単に
「N3に合格すればよい」
と考えるのではなく、B1相当を意識するのであれば、N3で104点以上を目標に学習を進める必要があります。

ただし、ここでもう一つ注意が必要です。

JLPTのCEFR表示は、あくまでJLPTで測定している「言語知識・読解・聴解」に対応する参考表示です。話す・書くといった産出能力や、実際のやり取りの能力まで直接測定しているものではありません。 JLPT

また、建設分野の特定技能2号について、最終的にどの試験・証明方法を用いて「B1相当以上」を確認するのかは、今後公表される最新の運用要領等を確認する必要があります。

したがって、現時点では、

「N3合格=B1」と単純に考えず、N3で104点以上を一つの目安として、日本語力を高めていく

という準備が現実的です。

さらに建設現場では、試験の点数だけではなく、

  • KY活動の内容を理解する
  • 安全指示を正確に理解する
  • 作業手順を日本語で説明する
  • 危険な状況を周囲へ伝える
  • 後輩に仕事を教える

といった、実際に人を指導するための日本語力も重要になります。

特定技能2号は、複数の建設技能者を指導しながら作業し、工程を管理する立場です。日本語学習も、試験合格だけではなく、現場安全・指導・人材育成につながるものとして進めることが大切だと考えます。

経過措置はある?

建設分野の特定技能2号については、2027年4月1日から日本語能力B1相当以上が求められることになります。
一方で、B1相当の日本語試験に合格していないと、施行日から直ちに全員が2号へ移行できなくなるのかという点については、別途整理が必要です。

厚生労働省の「特定技能制度及び育成就労制度の円滑な施行及び運用に向けた有識者懇談会」では、特定技能2号の在留資格を得るためのB1相当の日本語試験について、施行後一定期間が経過してから合格を求めることとしてはどうかという論点が示されています。

つまり、制度上は2027年4月1日からB1相当以上の要件が導入されますが、実際に**「いつから試験合格を求めるのか」**については、一定の猶予を設ける方向で検討されていると読むことができます。

ただし、2026年9月25日時点では、

  • その「一定期間」が何か月・何年なのか
  • いつまでに合格すればよいのか
  • 申請日を基準とするのか
  • 許可日を基準とするのか
  • 既に特定技能2号を取得している外国人にどう適用するのか

といった具体的な運用は、公表されていません。

そのため、現時点では
「○年間はB1が免除される」
「2027年3月31日までに申請すればB1は不要」
といった断定はできません。

建設会社としては、経過措置の詳細を待つだけではなく、今から日本語学習を進めておくことが現実的な対応になります。

変更・更新申請の確認開始時期はまだ未公表

2026年9月30日の出入国在留管理庁の公表により、在留資格認定証明書交付申請(COE)については、2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要であることが明確になりました。法務省

一方で、建設会社が実務上よく利用する在留資格変更許可申請と、すでに特定技能2号を取得している外国人の在留期間更新許可申請については、B1相当以上の確認開始時期が現在も検討中です。法務省

そのため、2026年10月3日時点では、

  • COE
    → 2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要
  • 在留資格変更許可申請
    → 確認開始時期は未公表
  • 在留期間更新許可申請
    → 確認開始時期は未公表

という整理になります。

特に、特定技能1号から2号への変更を予定している建設会社にとっては、変更申請の確認開始時期がいつになるのかが重要です。

現時点では、**「2027年3月31日までに変更申請を出せばB1不要」**とは断定できません。今後の追加公表を確認しながら、日本語学習を含めた準備を進めておくことが重要です。

3月31日までに申請すればB1不要?

2026年9月30日、出入国在留管理庁から、2号特定技能外国人に求める日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について、新たな案内が公表されました。

この公表により、在留資格認定証明書交付申請(COE)については、2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要であることが明確になりました。
つまり、COEについては「許可日」ではなく、申請日を基準に確認することが示されています。法務省

一方で、建設会社が特定技能1号から2号へ移行する際に多く利用する在留資格変更許可申請と、すでに2号を取得している外国人の在留期間更新許可申請については、2026年10月3日時点で**「現在検討中」**とされています。法務省

したがって、

「2027年3月31日までに特定技能2号への変更申請を出せばB1不要」

というルールが確定したわけではありません。

現時点では、

  • 在留資格認定証明書交付申請(COE)
    → 2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要
  • 在留資格変更許可申請
    → 確認開始時期は現在検討中
  • 在留期間更新許可申請
    → 確認開始時期は現在検討中

という整理になります。

特に、すでに日本で特定技能1号として働いている外国人を2号へ変更するケースでは、変更申請の取扱いがまだ決まっていないため、申請時期だけを見て判断するのは早い状況です。

今後、出入国在留管理庁から追加の案内が公表される予定ですので、特定技能2号への変更を予定している建設会社は、最新情報を確認しながら準備を進める必要があります。

建設会社が今から準備すること

特定技能2号を目指す外国人社員については、経過措置の詳細が公表されるのを待つだけではなく、今のうちから日本語学習を始めておくことが重要です。

特定技能2号では、熟練した技能だけでなく、複数の技能者を指導しながら作業し、工程を管理する立場が求められます。
そのため、日本語も「試験に合格するため」だけではなく、現場で人を指導するための力として身につけていく必要があります。

建設会社として、今から準備しておきたいのは次のようなことです。

  • 日本語学習を早めに始める
  • JLPT N3合格だけでなく、CEFR B1相当の参考表示となる総合得点104点以上を一つの目標として学習を進める
  • 日常会話だけでなく、建設現場で使う日本語を学ぶ
  • KY活動、安全指示、作業手順を日本語で理解できるようにする
  • 後輩へ作業内容や注意点を日本語で説明する練習をする
  • 技能試験・班長経験・CCUS・日本語学習を並行して進める

特に大切なのは、技能試験に合格してから日本語学習を始めればよい、と考えないことです。

日本語力は、短期間で一気に身につくものではありません。
現場での会話、安全指示、作業手順の説明、後輩への指導などを日々積み重ねながら、少しずつ伸ばしていく必要があります。

また、特定技能2号への移行を考える場合は、日本語だけを単独で準備するのではなく、

技能検定1級等の技能水準
班長としての実務経験
CCUSの就業履歴
日本語B1相当

を並行して整理していくことが重要です。

政府の基本方針でも、特定技能2号については、熟練した技能とB1相当の日本語能力を求める方向が示されています。

建設分野では、技能が高くても、後輩へ危険箇所を伝えられない、作業手順を説明できない、工程上の注意点を共有できないという状態では、班長として十分に力を発揮することが難しくなります。

だからこそ、特定技能2号の日本語要件は、単なる申請上のハードルではなく、現場安全や人材育成につながる力を育てるものとして考えることが大切です。

特定技能2号では、日本語要件だけでなく、2号外国人の役割や指導対象者を確認する新様式「参考様式第1-32号」への対応も重要です。
「参考様式第1-32号」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

既に特定技能2号を取得している人はどうなる?

すでに建設分野の特定技能2号を取得している外国人については、
「今後の更新時にB1相当以上の日本語能力が必要になるのか」
「経過措置の対象になるのか」
「既取得者について別の取扱いが設けられるのか」
といった点が気になるところです。

しかし、2026年9月25日時点では、これらの具体的な取扱いはまだ詳細が公表されていません。

そのため、現時点では、

「すでに特定技能2号を取得している人は今後もB1要件の対象外」

とも、

「次回更新から必ずB1相当以上が必要」

とも断定できません。

今後、出入国在留管理庁や国土交通省から公表される運用要領、Q&A、申請書類等を確認する必要があります。

既に特定技能2号外国人を雇用している建設会社についても、
「今は2号だから日本語要件は関係ない」
と考えるのではなく、今後の更新を見据えて、日本語学習を継続しておくことが大切です。

また、日本語力は在留資格のためだけではなく、現場での安全指示、後輩への教育、工程管理、職長・班長としてのコミュニケーションにも直結します。

すでに2号を取得している外国人についても、長期的な定着やキャリア形成の一環として、日本語力を高めていくことには大きな意味があります。

現時点の整理

2026年9月25日時点で公表されている内容を整理すると、次のようになります。

項目2026年10月3日時点
建設分野の特定技能2号にB1相当以上を導入確定
施行日2027年4月1日
在留資格認定証明書交付申請(COE)2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要
在留資格変更許可申請確認開始時期は現在検討中
在留期間更新許可申請確認開始時期は現在検討中
変更申請で3月31日までに申請すればB1不要か未公表
既に特定技能2号を取得している外国人の更新時の扱い詳細未公表
B1相当として認められる日本語試験・証明方法の最終的な詳細JLPT N3の場合、合格だけではB1相当とは限らず、総合得点104点以上でCEFR B1相当の参考表示。建設分野での正式な確認方法は最新の運用要領等を確認。

2026年9月30日の出入国在留管理庁の公表により、在留資格認定証明書交付申請については、2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要であることが明確になりました。
一方、在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請については、確認開始時期が現在も検討中です。法務省

したがって、建設会社が特定技能1号から2号へ変更するケースについては、現時点でも**「3月31日までに申請すればB1不要」**とは断定できません。今後の追加公表を確認しながら準備を進める必要があります。

まとめ|日本語は「2号申請のため」だけではない

建設分野の特定技能2号では、2027年4月1日から日本語能力B1相当以上の要件が導入されます。

ただし、B1相当の日本語試験については、施行日から直ちに全員へ一律に合格を求めるのではなく、施行後一定期間が経過してから合格を求める方向が示されています。
一方で、その具体的な期間や、申請日・許可日との関係、既に特定技能2号を取得している外国人の更新時の取扱いなどは、2026年9月25日時点では詳細が公表されていません。

だからこそ、建設会社としては、経過措置の詳細だけを待つのではなく、今から準備を進めておくことが大切です。

特定技能2号への移行では、

技能検定1級等の技能水準
班長としての実務経験
CCUSの就業履歴
日本語B1相当

を、それぞれ別々に考えるのではなく、並行して積み上げていくことが重要です。

特に日本語については、試験に合格することだけが目的ではありません。
2号外国人は、現場で後輩を指導し、安全上の注意を伝え、作業手順や工程を説明する立場になります。

そのため、日本語力は、在留資格のための要件であると同時に、現場安全・人材育成・長期定着につながる力として考えることが大切です。

天道行政書士事務所では、在留資格申請だけでなく、特定技能2号への移行に必要となる技能、班長経験、CCUS、日本語学習、受入企業側の体制まで含めて整理しています。

建設会社として外国人社員を受け入れてきた経験も踏まえ、制度上の要件と実際の現場をつなぎながら、準備すべきことを一緒に整理していきます。

【ご注意】
※本記事は2026年10月3日時点の出入国在留管理庁、国土交通省、厚生労働省等の公表資料を基に作成しています。
2026年9月30日の公表により、在留資格認定証明書交付申請(COE)については、2027年4月1日以降の申請からB1相当以上が必要であることが明確になりました。
一方で、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の確認開始時期は現在も検討中です。
実際の申請時には、最新の運用要領・Q&A・申請様式をご確認ください。

参考:一次情報

  • 国土交通省「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」
    建設分野の2号特定技能外国人について、技能水準・班長としての実務経験・B1相当以上の日本語能力水準が示されています。
    国土交通省の資料を開く
  • 厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の円滑な施行及び運用に向けた有識者懇談会」
    B1相当試験の合格猶予など、経過措置に関する検討資料を確認できます。
    厚生労働省の有識者懇談会を開く
  • 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」
    育成就労制度・特定技能制度の改正について、2027年4月1日施行であることが確認できます。
    出入国在留管理庁のQ&Aを開く

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